ゆさゆさと体を揺さぶられる。


少しずつ、その感覚がはっきりしてきて、顔をしかめた。



『花梨!?目を覚まして!!』




お母さんの声だ…
もう朝なの?あんまり寝た気がしないんだけど。



「ん―。お母さん、あと5分。」



いつも、朝起こされている時の感覚で返事をした。




『何、寝ぼけてるの!!』


ぺチンとおでこを叩かれて目を開けた。



「何よ!叩かなくてもいいじゃな…い…」



目を開けた私に見えたもの。
呆れたお母さんの顔に、綺麗なアリサちゃんのお母さん。




『花恵さん。何も叩かなくても…花梨ちゃん、倒れた後だし、混乱してるのよ。』




『いいえ直子さん。倒れたんじゃなくてきっと眠かったのよ!はぁ…何も、よそ様のお宅で寝なくてもいいじゃない。恥ずかしい子ね!』




『まあまあ。花梨ちゃん、何も無くて良かったわ〜』





そんな二人の会話を聞きながら、少しずつ思い出してくる。




私…アリサちゃんに会いに来て、それで…





がばっと起き上がり辺りを見渡した。



所々に置かれた段ボール。壁際に積み重ねられた段ボールに寄り掛かる一人の男の子が目に入った。