「ねえ。足も治ったことだし、今度の日曜にどこか二人で遊びに行こうよ。」




先を歩く花梨に追いつき手を繋いで提案した。




足の事もあったからデートらしい事も出来なかった。



家も隣で学校から帰っても花梨の所に入り浸ってたから、一緒にいる時間は充分すぎる位あるんだけどさ。



「たまには母さん達に邪魔されずに過ごしたいな。」



入り浸ってるのは俺だけじゃなかった。




母さんや父さんまでもがほぼ毎日花梨の家へ行って、晩酌ついでに盛り上がる。



しかも母さんとおばさんは必ずといっていいほど、花梨の部屋に何度も来るんだ。




俺たちがどういう関係か気になってるんだと思う。




『ケーキ食べない?』




『飲み物はいらない?』




何かと覗きたがる二人は交互にやってくるから、迂闊に手も出せない。