『俺にこうされるのは…平気?…嫌じゃない?』





抱きしめながら問いかける純君に“嫌じゃない”そう言いたいのに、頷く事しか出来ない。





トイレから出た私に声をかけて来たのは…吉田君だった…





『雨宮さん、ちょっと聞きたい事あるんだけど、今いい?』






吉田君は朝電車内で見た様な怖い顔をしていなかったから…




昨日告白されて断ったときもしつこくなかったし、今までだって、あんな怖いこと誰にもされた事なかったから…





私は迷うことなく付いていっちゃったんだ…





二人きりになって、いきなり豹変されるなんて思いもしなかった。





怖くて立ち去ろうとする私を押さえ付ける強い力。






何より嫌だったのは、触れられた瞬間に全身に鳥肌が立つ感触だった…