教室を出て歩きながら京平は話し始めた。





『実際の所花梨とはどういう関係?』






すれ違う生徒にチラチラ見られてはいるけど、さすがに話し掛けては来ないし、騒がしい廊下では俺らの会話も聞こえてない。





『本当に純の言う通りならさ、あんな困った顔してないなって思ったんだ。花梨は、馬鹿正直なやつだから…』





「そっか…。
…幼い頃にした約束をさ、馬鹿みたいに信じてるって言ったら…京平はどう思う?」






京平は、立ち止まって俺を見た。






「昔さ、約束したんだ。“結婚しよう”って。その約束があったから…ここに戻ってこようって思えた。」