怖い……! はじめて。 ここへ来て初めて、わたしはこのオジサンが怖い、と思った。 「や……やっぱり、やめます!」 思わず逃げようとすると、男はますます力を込めた。 「おいおい。 今更、それは無いんじゃないか? はじめての値段に三万って言う事が不満なのか? だったら、五万……いや十万出すから!」 じ、十万円!? その額の大きさに驚いて、思わず抵抗をやめると。 オジサンは、わたしのポケットに素早くお札を詰め込んだ。