「春陽、マジ可愛いのに、なんで……!?
 あたし、ぜっったい上手くいくって信じてたのに!」

 柴田に、可愛い、と言われて嬉しかったけれど。

 わたしは慌てて手を振った。

「……そんなにわたし、可愛くなんかないって。
 それに、加藤先輩、もっとずっと、色っぽいコが好みみたいで……」

「ホント……?
 今時、この年になってキス一つしたことのないってめずらしいとは、思ったけど……
 ソレが裏目に出ちゃったかぁ」

 柴田は、長い自分の髪をくるくると指に巻いた。

「……で……?」

「で?」

「もう、春陽は加藤先輩をあきらめるの?
 それとも、まだがんばってみるの……?」

「う……ん……」

 言い淀んでいると……

 ポンと、紫音の顔がアタマに浮かんだ。

 莫迦にして笑っている紫音の。

 ……もう!

 ぜっっったい、ありえないからっっ!

 浮かんだ紫音の顔を、打ち消すように、バンっと黒板消し同士を打ち合わせた。



 げほげほっ!



 ……とたんにむせて、涙目になる。

「何やってるのよ、春陽~~」