強い、紫色の瞳の迫力に。

 加藤先輩は、自然に頷いた。

「……それと、最後に、もう一つ。
 オレの昼間の顔を、ここの誰かに、話すことは、許さない。
 薫……副オーナーや、他の従業員にも。
 もちろん、客にも」

「あ……ああ。
 さすがに、現役の教師がホストだってバレるのは。
 ……マズい事ぐらい俺だって判る」

 言って、加藤先輩は、ちょっと笑った。

「それ、一個貸しな?
 黙っててやるから、そのかわり……ってえ!」

 不敵にも、紫音に貸しを作ろうとした、加藤先輩は。

 紫音に無言で頭を殴られた。

「調子にのるなよ、クソガキ。
 オレ達ホストには。
 接客で知った情報を、他人にほいほいとしゃべらねえっていう「守秘の掟」っていうモノがあるんだ。
 それが出来ねえヤツは、ホストになんてなれやしねぇ。
 練習だと思って、黙っているんだな」

 判ったか?

 と、紫音にすごまれて、加藤先輩は、今度は素直にうなづいた。