「次の休みっていったら、もうすぐだろ?
 ……守屋との初デートに、何で……
 よりにもよって、あの宮下と一緒に遊園地なんぞに行くんだ!
 しかも、女の子二人で遊園地に行く事はあるかも知れないが。
 野郎二人で、遊園地、は。
 ぜっ・た・い、ありえない。」

「え……?
 紫音は、宮下先生のコト、嫌いなの?」

「嫌いだ」

 紫音は、紫の目でぎらりと睨んで言い切った。
 
「それに。オレは、オレで。
 もう少し遅い時間からになるけれど、その日の予定を考えていたんだ」

 少し、すねたように、話す紫音の言葉に、わたしは身を乗り出した。

「本当?
 ……どんな……?」

「昼過ぎから、その日こけら落としになる演劇を見て。
 その後、プール・バーに寄ってから。
 五つ星ホテルで美味いディナーを食べようと思っていた」

 うわ……

「なんだか、本当にオトナのデートだね」

 知らない世界に、どきどきする。

 ちょっと、怖い、かな?

「……怖くは、ない。
 オレがちゃんとエスコートしてやる。
 少しだけ、背伸びをして遊んでみないか?」

「ええええっと……
 すごく、面白そうなんだけど……
 演劇の次の、プールとバーのところが……ちょっと……
 わたし、かわいい水着持ってないし。
 いくらなんでも、パーでお酒を飲むわけにはいかないでしょ……?」

 わたしが、そう言うと、紫音は、驚いて目を見開き……






 次の瞬間、紫音は。