彼は人魚姫!

「い…痛い…って」


「あ…ごめん。力入った」


慌てて手を離しながら、あたしからも少し離れた。


「あ…、のね。あのね。あの…」


やっぱり返事出来ない。
しぃといれば、しぃにドキドキするし、薫といれば薫もいいなって思う。
だから今、薫をちゃんと選べない。
しぃに向かってる気持ちがある以上。


「惚れたのか?」


「えっ?いや…その…」


「だから早く警察に突き出せば良かったんだ。あんなやつとひとつ屋根の下にいるからおかしくなるんだ。間違ってる。いつ食われてもおかしくないんだって。お前はその…免疫がないんだから。オトコを信用し過ぎるんだよ。いや…オレがお前を信用し過ぎてた。あいつはオレが警察に連れて行く」


マズイ。この勢いならしぃを本当に警察に連れて行く。


「ダ…ダメ!それはダメ!」


とっさに大きな声が出た。


「何で?」


薫がキッと睨む。
睨むよね?そりゃ…。