「!!!」


不覚だった。安心しすぎてた。
今、あたしの体はしぃに密着して、それがぐぐっと押される感覚がある。
気を失っていると思ってたしぃの右手はあたしの背中を包んでる。
心臓が破裂する。きっと…。
優しく抱きしめてくる、しぃの手。
ドキドキしてるんだけど、苦しいんだけど、パニックなんだけど、このまま…。
しばらくこのままでいたい。


「僕はどこにも行かないよ」


ぐっと力を入れて抱きしめて来る。
聞いてたのか!?
あれはひとり言だって。
恥ずかしすぎるでしょ。
答えて欲しかったけど、改めて答えなくていい。
って…。
どこ触ってる?


「ママのお尻も僕の好みだよ。僕たち、あっちの相性もいいかも。試してみる?」


あたしの右手が元気よくしぃの左頬を打った。
ったく…。こいつは。
こうでなくっちゃ。


「あたしとどうこうなりたいなんて、百万年早いのよ。生まれ変わって、もう一度来なさい。待っててあげるから」


何言ってるんだ?あたし。