「奇跡…ですか。いいですね。そういう言い方、好きですよ」
爽やかに微笑みながら、残っていた紅茶を飲み干す。
そして、スーツの上着の内側を触ろうとした。
「あ…、お金はいいです。これはおもてなしですから!」
財布を出される前に言おうと、つい焦って大声になってしまった。
みっともない限り…。
「そうですか。じゃあ、ご馳走さまでした。美味しかったです。ありがとう」
「いえ、こちらこそありがとうございました」
言いながら慌ててカウンターから出る。
もう少し、いて欲しい。
何か会話の種は…。
「これからお仕事ですか?」
「えぇ。これから会社に戻ります。今日はお会い出来て良かったです。たまたまこちらの方に用事があったんです。それが予定より早く終わって。というか、ここに来たくてわざと時間に余裕を持たせたんですけどね」
「えっ?」
店の外まで送ろうとしたのに、『ありがとう。ここで』と、こっちがとろけてしまいそうな優しい笑顔を残して帰ってしまった。
あたしの心に小さな恋の種を植え付けて。
爽やかに微笑みながら、残っていた紅茶を飲み干す。
そして、スーツの上着の内側を触ろうとした。
「あ…、お金はいいです。これはおもてなしですから!」
財布を出される前に言おうと、つい焦って大声になってしまった。
みっともない限り…。
「そうですか。じゃあ、ご馳走さまでした。美味しかったです。ありがとう」
「いえ、こちらこそありがとうございました」
言いながら慌ててカウンターから出る。
もう少し、いて欲しい。
何か会話の種は…。
「これからお仕事ですか?」
「えぇ。これから会社に戻ります。今日はお会い出来て良かったです。たまたまこちらの方に用事があったんです。それが予定より早く終わって。というか、ここに来たくてわざと時間に余裕を持たせたんですけどね」
「えっ?」
店の外まで送ろうとしたのに、『ありがとう。ここで』と、こっちがとろけてしまいそうな優しい笑顔を残して帰ってしまった。
あたしの心に小さな恋の種を植え付けて。

