彼は人魚姫!

「だ…いじょうぶです!彼は寝てます。寝てるだけです!」


我ながら情けない嘘。
しかし、ここは切り抜けるしかない。


「寝てる訳ないじゃないですか!」


「そう思いますよねぇ~。普通。でも、彼は寝てるんです。アハハ」


気を失ってずいぶん重く感じるしぃを抱き上げる。
やっぱり男の人って重い…。


「すみません。すぐ戻りますから」


すぐ戻るとは言っても、しぃがいなければ誰もいなくなる事は分かっている。
まっ、その方が都合いいか。


しぃの顔が近くにある。
睫毛、長い。
っていうか…、心臓が破裂しそうに打ってる。
こんな時にドキドキするなんてあたしはおかしい。


「ごめんね。しぃ。あたし、力入れすぎてたのかな。…しぃ、働かせ過ぎたよね。あたしが悪い。全部…何もかも。しぃを離したくないの」


ふと、本音がこぼれた。