「あそこ。あそこがあたしんち」
「あそこ?めっちゃかわいくない?ママ」
いちいち、ママって言わなくていい。
だんだん馴染んで来てる自分が怖いよ。
坂を上りきった所に可愛らしい家が建っている。
入り口にはたくさんの花の植木鉢。
大きな2つの窓は、まだカーテンが閉まったまま。
「お疲れさま。どうぞ。あ、その板はそこの隅に置いといて」
取りあえず、無事に着いた。
長い10分だったけど、何だろう。
こいつからフワッと香る潮の香りが、すごく心地良かった。
まだ、このまま一緒に歩いていたいって思えた。
「ママ、ママの家ってテーブル、多いね。何人家族なの?もしかして一族で住んでるの?」
一族って…。
「そんな訳ないでしょ?ここはお店。カフェの雇われ店長やってるの。店長って言っても、あたし1人しか働いてないんだけどね。そんなに忙しくないし、ゆっくりやらせてもらってるの。でね、店の奥に部屋が2つあって。好きに使っていいって言うから、住んでるの」
「あそこ?めっちゃかわいくない?ママ」
いちいち、ママって言わなくていい。
だんだん馴染んで来てる自分が怖いよ。
坂を上りきった所に可愛らしい家が建っている。
入り口にはたくさんの花の植木鉢。
大きな2つの窓は、まだカーテンが閉まったまま。
「お疲れさま。どうぞ。あ、その板はそこの隅に置いといて」
取りあえず、無事に着いた。
長い10分だったけど、何だろう。
こいつからフワッと香る潮の香りが、すごく心地良かった。
まだ、このまま一緒に歩いていたいって思えた。
「ママ、ママの家ってテーブル、多いね。何人家族なの?もしかして一族で住んでるの?」
一族って…。
「そんな訳ないでしょ?ここはお店。カフェの雇われ店長やってるの。店長って言っても、あたし1人しか働いてないんだけどね。そんなに忙しくないし、ゆっくりやらせてもらってるの。でね、店の奥に部屋が2つあって。好きに使っていいって言うから、住んでるの」

