彼は人魚姫!

しばらく沈黙が流れた。
たぶん、数秒間。だけど、その空気が重くて長く感じる。
しぃに黙り込まれたら、どうすればいいの?
なんか言って。



「これ以上、嘘はつけないだろ?」


この落ち着いた優しい声。
まさか………。
心臓が分かる位に早く打つ。
一瞬の期待。


「オーナー!」


「凪!」


ちょっと待って。
凪って、呼び捨てって。
知り合い?何それ。
マジで?もう、今日は一体、なんて日なの?
あたしの思考能力では処理しきれない。


「しぃ、オーナーの事、知ってるの?」


思わず立ち上がって問い詰めるように聞く。
力が入り過ぎて大声になってる。


「知らない」


どの面下げて言ってんだか。
オーナーの方を向きたいけど、どんな顔をしたらいいのか分からない。
ここで笑顔もないだろう。