彼は人魚姫!

ゆっくりと席を立つと窓際へと歩いた。
ガラスの向こうにはいつもの真っ青な空と白い飛行機雲。
あたしの気持ちもどこかへ飛んで行ってしまった?
いや、しぃの頭がどこかへ飛んで行ったんだ。


「あのさ、分かるように説明して。何度も言って申し訳ないんだけど。バカにも分かるように」


「バカ?ママ、バカなの?アハハ。そうなんだ。了解。プロポーズした。以上。………それ以上は言えない。僕が誰なのか、何者なのか、全部知らずについて来て欲しい。何も知りたがらないで。ただの海から来た、すっぽんぽんやろうってだけ」


「悪いけど、それは無理だよ。しぃが、あたしの知ってるしぃとは別の人だった。ねぇ、あたしってなんだったの?そこらにいるイケメン好きの女の子たちと一緒にしないでよ。何に利用しようとしてるのか分からないけど、しぃの人生にあたしは関係ない。巻き込まないで。あたしは…、あたしはさっきまでのしぃが好きだった。ちょっとエッチだけど、とっても優しくて素直で笑顔が素敵で。あたしは……、さっきの電話の言葉は……、あたしは心のある人間だよ。今のしぃの言葉は何も信じられない。信じて欲しいならちゃんと信じさせて」