彼は人魚姫!

「僕のものになって。ママ」


ニッコリ微笑んで何を言うのやら。


「ふざけないで」


あたしはゆっくり息を吸って、出来るだけ冷静に言った。


「僕の心と体になって。絶対、全部、満足させてあげる。そして、僕の事、心もこの体も、全部、一生愛し抜け」


「………」


何?なんなんでしょう?
これはお願い?ではなくて、命令ですか?
あぁ、はいはい。いつもの口説き文句ね。


「あのね、そんな事は聞いてないの。さっきの電話は?あの内容を説明して。どうしても言いたくないなら、ここから今すぐ出て行って。もうごまかさないで」


「だからぁ、今、説明してるんだけど。僕、花嫁を探してる。心から愛する人を。そして、誰にも負けない位に僕を愛してくれる人を。この体の骨の髄まで愛してくれる人を。ママがイエスって言ってくれなかったら、僕は好きでもない人と一生、愛し合わないといけない。可哀想だろ?だから……」


話が見えない。