彼は人魚姫!

何でだろう。涙が一気に込み上げて来る。
泣くとこじゃないのに。
ねぇ、あたし。
泣いちゃダメだ。


『フフッ』としぃが笑った。
何で笑うの?開き直る?
もう何がなんだか分からない。
さっきまでこうなるなんて想像もしなかった。
ただ、しぃを探してただけなのに。


「もう少しバカでいてくれたら良かったのに」


「バ…カ?」


それはどういう事?


「どっちにしろ、もうママは逃げられない。だって、僕の運命はママにかかってるんだから。ママは僕の運命の人なんだよ」


「違う。言ってる意味が分かんない。全く分かんない。あたしは何も関係ない。しぃとは関係ない。もういいから。出てって。帰って。あたしの前からいなくなって!」


騙されてたんだ。
記憶喪失もウソなんだ。
本当のところを聞きたいけれど、それよりもう、いなくなって欲しい。
あぁ、なんかすごくイヤ。全てが、自分が。
たくさん言いたい事はあるのに、言葉が上手く形にならない。