無理強いはしたくないけど、期待はしたい、それが正直な気持ちだから。

「いいですか?」

「何を…。」

「私、陛下を好きなままでいてもいいですか?」

カルサの言葉を遮ってリュナは訴えた。

胸の辺りで握りしめられた拳には力が入っている。

目はまっすぐに思いを訴えていた。

許されるなら、この思いを大切にしていきたい。

リュナの原動力である思いは今、全身でカルサに訴えていた。

あなたが好きだと、目で身体で、雰囲気で伝えようとしている。

耐えきれずカルサは目を逸らし、拳を口元にあてた。

顔が少し熱を帯びたのを感じる。

そんな自分を振り払うように小さく咳払いをした。

「…好きにしたらいい。」

彼にしては珍しい小さな声だった。

そして背中を向けて、いつの間にか止まっていた足を動かし始める。