この世界、何も変わらないように見える嘘の世界。

崩れかけたものが救われ、再び同じ姿を取り戻してまた変わらない生活を始める。

空の色も大地駆ける風も変わらない。

ただそれらを治める国王だけが変わっているだけだ。

「これで構わない、進めてくれ。」

会議で出された案に許可を出すなり、これで終わりだとカルサは立ち上がった。

会議に参加していた大臣たちも同じ様に席を立ちそれぞれ業務に戻っていく。

会議が終わってもまだ話があるのだろう、次々と人がカルサに詰めかけてきた。

彼が歩き始めていてもお構いなしだ。

今の彼の傍には側近も秘書官もいない、よってカルサの代わりに答えられる補佐がいない為だった。

些細なものから大きなものまで一斎がカルサに求められる。

一つ一つに答えながら足を進め、私室の方に向かっていった。

私室に繋がる扉の前でため息を吐く、最後の人が掃けたのは会議室から出て私室に入るほんの手前のことだった。

部屋に入り後ろ手に閉めた扉の音が自分の世界に入れる合図になるのだ。