「これが終わればすぐに出ていく。」

「どちらへ?」

「ナルの所だ。」

初耳だったナータックは少し焦ったように身体を向き直した。

「失礼致します。」

フレイクは頭を下げると静かに扉を閉めて退室していく。

会話の間も手を動かし続けたカルサの机には別の山が出来ていた。

未処理が決済済みの箱に移っていたのだ。

「早い。」

カルサの裁きが速いのは知っているが、想像以上に早く終わりそうなので驚いた。

「ナータック。」

「はい。」

名を呼ばれナータックはカルサの前に立った。

カルサは数冊の束を差し出し、受け取らせる。

未処理の箱にもう書類は残っていなかった、ならば渡されたこれらは受理できないものだ。

「お預かりします。」

ナータックの言葉を聞いてカルサは立ち上がった。