しかしこんなに騒いでいいのかと周りを気にするが、他の客も自分達の世界を作って楽しんでいるようだった。

少し安心して目の前におかれた皿と向かい合う。

これを食べてカップの酒を飲んで仲間入り、これも一つの伝統行事なのだろうとリュナは覚悟を決めた。

「よし。」

そう呟くとリュナはまずカップに口を付けた。

そして無理のない程度に料理を口に運んでいく。

リュナに進める際に紅は耳元で楽しい場に参加する気持ちでいいと言ってくれたのだ。

つまりはこの雰囲気に慣れてくれということなのだろう。

「あ、美味しい。」

リュナの呟きを聞き逃さなかった貴未は嬉しそうに自分の皿を出してきた。

「この赤いやつ食べてみ?うまいから。」

歌うように勧める料理をリュナは遠慮なく口にする。

貴未は勧めてきただけはある、程よい加減の香辛料が効いたいくつでも食べたくなる料理にリュナの目が見開いた。

「本当、美味しい。」

「だろ?」