「ありがとう。カルサ。」

リュナの言葉にカルサの顔が赤く染まる。

思わず口を手で覆って感情の高ぶりを抑え込んだ。

それでも思いは止まらない。

「求めるつもりなんてなかった。俺は一人で戦っていかなくては…誰も犠牲にしない為に強くならなきゃ。」

感情を捨てようとも思った。しかし、捨てきれなかった。

幸か不幸か周りには常に人がいる、ならば強くなるしかない。

誰も寄せ付けない力の強さ、すぐにでも命を亡くせる気持ちの強さが必要だった。

死にたがっていた。

人々を犠牲にしながら生き永らえる自分に嫌気もさしていた。

それが彼女の言う、自分を嫌うということなのだろう。

こんな命に未練も執着もある訳がない、今まではそうだった。

「でもリュナに会って、愛しいと思ってしまった。守りたい、共に生きていきたい…。俺は命に執着を持ってしまった…。」

自分が死ねば全てが終わる、国も仲間も全てが救われる。

命など惜しくはなかった。

たった一人の女性に世界を変えられるなんて。