「彼を倒す為だけに俺が存在しているというのは…あながち間違いではない。しかし倒した後に自分の胸を刺すんじゃない。」

「…言わないで。」

震える声でリュナが呟いた言葉はカルサにも聞こえていた。

言われることはだいたい察している、だから言葉にして伝えないで欲しい。

ただその願いを込めてリュナは何度も小さく首を横に振った。

カルサは自分の拳を静かに掲げ、そのまま胸に、音をたてて当てる。

「この胸を刺して、彼を止めるんだ。」