「まさかラファルに会えるなんてな。よく俺が分かったな。」

カルサはラファルの身体を撫でて懐かしい手触りを楽しむ。

しかし無邪気な笑顔は消え、徐々に遠い目になっていった。

勢いの良かった手もやがて速度を落として止まる。

表情はくもり、自分の世界に入り込んでしまったようだ。

ラファルはまるでカルサの意識を引き戻すように頭を擦り寄せた。

「悪い。せっかくお前に会えたのにな。」

苦笑いしてラファルの頭を撫でた。

そして何かを思いついたように視線を泳がす。

「せ…。」

千羅と呼ぼうとしたが、カルサは口を閉ざした。

人の気配を感じる。

カルサはその方向を睨むように見つめた。

やがて視界に人影が映り、それは明らかにこちらに近付いて来るのが分かった。

カルサは目を細め、表情は険しくなる。

彼にとって招かれざる客、そうカルサの表情が物語っていた。