美鈴に座る様に言われ美鈴の横に腰を降ろした。





″ありがと″そう口にする美鈴、普通の女は座っただけで感謝の言葉を口にはせぇへん。そんな事があるたびに美鈴は何処か普通の女とは違うんやなって思う。






一人で悩んで悩んで思い詰めているって事がどれだけ辛いか、苦しいか、監察方の俺にはよく分かる。





美鈴はいつも一人で苦しみを抱え込んで、自分でいつも決断をしている。






俺は美鈴は近くにいつも居てやれなくて美鈴を安心させる事すら出来ない。





愛次郎の時、それと今回の新見の事で分かった様な気がする。





桜から落ちてきた美鈴は桜の様に愛くるしく、その気高く可憐な姿に目を奪われてしまう。





そして桜は少しの強い風で花びらが散って地にそっと落ちる様に美鈴も脆くて儚くてそっと静かに涙を落とす。






とても繊細で、凛として強い外壁が壊れてしまうと内は弱くて脆くて儚くて…そんな女子。







新見切腹から月日が経っていないのに次は芹沢暗殺、これから俺らの近くにいる事によって美鈴はもっと傷付くかもしれへん。






その笑顔が更に曇ってしまうんやないかって思う。





やけど、美鈴が壬生浪士組にとって大切な存在になった今、美鈴が此処に居れる様に出来るだけ俺頑張るから。





―――






山崎「綺麗な夜やなぁ…」







美鈴が居る為なのか一層鮮やかに目に映る月の光を見上げながら、





心地好く響く風鈴の音と微かな風で揺れる木々の葉が擦れる音に耳をすませながらそっと呟く。








副長、任せとき。







俺が美鈴の事を任務通りに守ってみせるわ。








山崎が口にしたどおりに綺麗な夜の下、桜の様な美鈴を隣に、






そうーー決心した。