★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。

窓から見える空が吸い込まれそうな漆黒の闇に塗り替えられ、






気付けばつい先程までの暑さが薄まり、








風鈴が微かに揺れて心地好い音色が響いていた。






そんな中、美鈴は一人で縁側で自分で煎じたお茶を呑む。







いつもだと隣には誰かが喋り相手として座っていたのに今日は違った。






別に深い意味は無かったけど一人だけで夏の夜を感じたいと思ったから。






誰も居ない事で気が付く事は意外に多くて、それ以上に誰かが居た時に得るモノが多い事に少し戸惑った。






右隣の空いた空間に無意識に虚しく思いながら足を伸ばして寝転ぶ。






視界に入る天井の木目と微かに揺れる綺麗な風鈴をじっと見つめる。






そんな事をしていた時、






山崎「美鈴？なにしとんねん」





熱でもあるんか？






そう言いながら此方にいつの間にか近付いてきて美鈴の額に手を置いた。





そんな心配する山崎に嬉しく思ってむくっと起きた。





美鈴「すすむっ!!」





ついつい大声で名前を呼んでしまった。






山崎「なっ!?どうしてん!」






急に美鈴が起き上がって大声で自分の名前を呼んだ事におろおろして美鈴に何がどうしたのか問いた。





美鈴「えっ…えっと……」








何て言えばいいのか分からないけど、







私には誰かと縁側に座って得られるモノの方が大事と思ったんだもん。