やっと庭の掃除が終わり、美鈴は斎藤のいる縁側に小走りで行った。






斎藤「本当に手伝わないでいいのか?」






美鈴に手拭いを渡しながら問う。






斎藤には珍しくオーラから、眉を下げているその表情から美鈴を心配していると分かる。






そんな斎藤の心配に申し訳なさそうに手拭いを手に取り、美鈴は汗を拭う。






美鈴「大丈夫です。これは私の仕事なんですからっ!!」






此処で女中として働いている以上、自分の仕事は頑張らなくてはいけない。






皆が頑張って壬生浪士組の仕事をしているのに、私だけ何もしないなんて嫌だもん。






そう思ってニコッと笑い斎藤に告げる。






……………。






美鈴「斎藤さん…少しアツいです」






自分を包む今の自分にとっては熱すぎる温もりに気付き呟く。






私をまるで小動物みたいな扱いで抱き締める斎藤さんに。






その呟きに斎藤は気付き物足りなさそうに美鈴を解放する。






斎藤「美鈴は優しい愛らしい娘だな…」






そう言って次は美鈴の頭をナデナデと撫でる。





止めてくれないのを感じ、美鈴はそのまま終わるのを待っていた。





そんな時にーー





「こらぁぁあぁっ!!美鈴姉に近付くなぁっ!!」





子供の高い声が響いた。