いつも通りになった。





別に無理をしているわけでは無い。






だけど、新見さんの事を忘れた訳じゃない。






一時も忘れた事などない。






ふと恋しくなる事だって何回もある。






永倉「みっすずぅ!!ちょっとそこまで行ってくるぜっ!!」





ドタドタと盛大な音を出しながら、廊下を走る永倉と平助。






美鈴「そこまで…?」






“ちょっとそこまで“それが何処を指すものなのかを考える。





そんな美鈴に、永倉の後ろを走っていた平助が笑う。





平助「あれだよっ!!島原だから」







美鈴「島原ですかっ…行ってらっしゃいっ!!」







何でこんなに走ってるんだろうと思ったら、後ろから肝が冷えるような恐ろしい鬼の形相の土方さんが、音もたてずに驚くべき速さで走ってくる。






な…なるほど。






追いかけられている二人と鬼は放っておいて、美鈴は“島原“という言葉に思いを抱く。






“島原“、新見さんと共に行き、楽しい思い出がある場所。







島原と聞くと思い出す。







デートと聞くと思い出す。







次は本当のでぇーとをしよう。






その言葉を思い出す。







結局叶える前に新見さんは居なくなった。







……………新見さんを思い浮かべると思い出す。




















ーーー叶えられなかったいつかの約束を。