総司「何があったのか……詳しく話せって……言わないんですか…?」
押し黙っている土方を不思議に思い総司は土方に問いた。
土方「………」
俺だってそう言いたい。
だけど……突然、自分の願望が叶いそうで…
突然すぎてなんにも言えねぇ…
近藤さんを先頭に…壬生浪士組をでかくすんのが俺の夢だ……。
だから芹沢一派の奴等が邪魔だった。
その芹沢一派を潰せる。
総司はそう言った。
ふざけた奴だが…
…こんな事を容易く言う奴でもねぇ……
土方「話せ。」
俺はやっと口を開き、総司が先に言った言葉をもう一度言った。
やっと言った俺の言葉を聞いて総司は畳の上に正座で座る。
一気に部屋は張りつめた空気が充満して微かな物音さえも聞こえるほど静かになった。
少し間をおいたあと、総司は真剣な顔で土方に向き直る。
総司「分かりました。副長」
こんな大事な場面の時だけ総司は土方を土方さん。
………ではなく“副長“
そう呼ぶ。
この時だけは小さい頃から共にいる兄弟の様な関係から……
壬生浪士組の副長とその部下の副長助勤という関係に変わる。
