「あれが…壬生浪の沖田総司か……俺達の視線に気が付かないとは…大したこと無いんじゃない?」
更に妖艶な笑みを浮かべる先程の男…
沖田総司の事を見たことが無かったのならば壬生浪士組の者ではない。
そして……壬生浪士組を壬生浪と呼ぶ事によって幕府側の者ではないと分かる…
なら残るのは……
倒幕派。
つまり…………壬生浪士組が敵対する奴等の事だ。
新見「吉田はそうか……桂さんは?」
新見が二人の名を呼んだ。
先程から女子を翻弄させている男を……
吉田と。
そして品がある端正な顔立ちの男を…
桂と言った。
桂「面白い二人だ。稔麿はそう思わなかったのかい?」
桂が話す事によって全てが分かる。
桂が稔麿と言っていた事で……
妖艶な男は…“吉田稔麿“
吉田の上の立場の者の桂と言う名は…
“桂小五郎“
二人とも長州藩の者で…
倒幕派……
幕府を倒そうとする者……
幕府側の壬生浪士組に対しては……
敵と言える人物だ。
