美鈴「あっ……沖田さん……ごめんなさいっ…少しぼーっとしてて…」




いけないいけない……




沖田さんが居るのに考え事なんてっ…





美鈴は考える事を止めて、誤魔化す様に笑みを浮かべる。




…………………。





…………って……あれ?





考える事を止めた途端、ある事に気が付く。





私達……何処に向かっていたの…?





美鈴「何処に…向かっているんですか?」





帰り道を通るはずなのに私達が通ってきた道は初めて見る景色ばかり……





するとそんな私に当たり前かの様に口を開く。





総司「もう着いていますよ?」




…………え…?




もう…着いてる?




思えば歩き続けていた私の足は止まっている。




足を一目見たあと、総司が見ている方を見る。




『甘味処』




この時代ならではの達筆で木の板に書かれている。




おまささんの所とは違う……




初めて見る処だった。