紅い……






赤い…








……真っ赤な花が散りばめられている。







綺麗な赤だ…………でも、見るたびに胸がざわついて仕方がない…








……………








本当に、………………花?






「ひぃっ!!」






違う…







……これはそんな美しいモノなんかじゃない……








亮の………私が愛していた人の、血だ。







血が綺麗な花と化して、散りばめられているその先には………………








「おにぃ……ちゃん…」






不気味な笑みを浮かべている、兄だった。







「美鈴は俺だけを信じればいいんだ…………愛してるよ……美鈴。」





何故お兄ちゃんは私の大事な人を奪ってしまうの…?



あんなに優しかったのに…







苦しい………





もう私から何も奪わないで…





「そんなに苦しいんだったら………死んだら美鈴」






いつの間にか私の首を掴んでいる手……





美鈴「お母さん………苦しっ!!」






ヤメテ………





やめてよお母さん…私を殺さないで…





『み…ずさ…』







遠くから、声が聞こえる…





『美鈴……』





亮の声…?





『美鈴さん……』





違う…この声は………






「……………沖田さん…?」






総司の名前を呼ぶと同時に、美鈴が目を開けた。







夢、……だったんだ…。