妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>



 結局生徒会のリレー選手として借り出され、龍二は納得いかない顔で自転車を漕いでいた。

 遥は苦笑いで後ろに乗っている。

「機嫌なおせよ龍二。何か美味いもんでも作ってやるから…ん?」

 うす暗くなっている帰り道。

 遥は何か変な気配を感じた。

 それは龍二も同じだった。

 自転車を止め、あたりを探るように気配を探る。

「何だ? この感じ…?」

「龍二気をつけろ。今までの妖と違うぞ」

 霊符を胸ポケットから取り出し、龍二は指を口元に当てて詠唱に入る。

 ざわざわと木々が騒ぎ始め、黒い液体のような物が足場を泥沼のように変えた。

『うわっ!!』

 龍二は浮遊を使い、遥を担いで空へ飛び上がった。

 自転車は泥沼の中に飲み込まれ、二人は間一髪で飲み込まれるのを防いだ。

「来る!」


 次は銀色の針のようなものが無数に飛んできた。

 遥は龍二から離れ、霊符を投げて力ある言葉を叫ぶ。

「玄武の盾!!」

 二人を取り囲むように甲羅の形の盾が現れ、ガラス音のような音を立てながら針を防ぐ。

「あれ?」

「どうした?」

 遥は不思議そうな顔で針を見つめた。