妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>




 また厄介ごとを増やされ、遥はまた頭を痛めた。

「よろしく。本堂君」

「遥でいいよ。俺も氷牙って呼ぶから」

「俺龍二。よろしくな~痛っ!」

 割って入るように龍二が声をかけてきたが、若柳の出席簿が頭に飛んできた。

「お前はよろしくせんでいい」

「なんでだよ!!」

「馬鹿が移る」

 的確な一言に、全員が爆笑の渦に吞まれた。

 遥もあははと笑っていると、氷牙が不思議そうな顔をしている。

「どうした?」

「ううん。こんな風な場所に慣れてなくて。学校って、楽しいところなんだね?」

淡々と言われ、遥は笑顔で頷く。

氷牙は何か視線を感じ、後ろを向くと、ジッと多摩に見つめられていた。

 多摩は目を合わせるや否や、急に本で顔を隠した。

(うわああ…!! 女の子よりも可愛い!! うらやましいなあ…)

 自分の見た目を気にしながら、多摩はうらやましがっていた。

 氷牙は気にせず窓に顔を向け、青い空を見つめた。



 昼休みに入り、遥は氷牙を誘って屋上で昼ごはん。

 いつものメンバーで弁当を広げると、遥と龍二の弁当が全く同じ物に気付いた。

「二人とも同じお弁当なんだね?」

 不思議そうに聞くと、龍二は卵焼きをほおばりながら答えた。

「俺と遥は同棲してんだ」

「誤解を呼ぶ言い方すんな! こいつは居候だ!」