校門まで速攻で入り込み、自転車置き場で龍二は息切れしていた。
「大丈夫かよ?」
親指を立ててサインし、二人は校舎へと入って行った。
ざわつく教室。
何事かと思い、先に来ていた緋音に問うた。
「転校生?」
まだ頭痛が走るのか、頭に指を当てながら聞き返すと、一体どこからそんな情報が入るのかと思うくらいの内容を話してきた。
「ずっと病弱だったらしくって、やっと先生の許可が下りてうちに入ることになったんだって」
「どっからそんなこと聞くの緋音ちゃん?」
龍二が聞くと、緋音は後ろを指差した。
そこにいたのは、黒縁眼鏡でボブヘアーの女子が眼鏡をキラリと光らせていた。
(漫研に入った多摩さんか…。かなりの情報屋って皆言ってたな)
遥が首を傾げながら見ると、多摩は顔を本で隠した。
なぜ顔を隠されたのか分からず、また別の意味で首を傾げた。
(うあああ…遥君と目があっちゃった。やっぱりかっこいいなあ…)
後ろ姿だけで十分な、教室片隅系の女子の心情。
そんなときチャイムが鳴り、担任の若柳が転校生を連れてやってきた。

