妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>



 顔を洗って少しすっきりしたのか、先ほどの青い顔よりかは頬に色が付いていた。

「とりあえずパン焼いてスクランブル作ったけど、食えるか?」

 じいさんは龍二の作った朝食にあまりいい顔はしなかったが、遥にとっては久しぶりの誰かが作った朝食。

 そんなことに少し心が軽くなったことを、龍二はわからないでいた。

「ほい」

 差し出されたのは、少し温められた牛乳。

「少しは落ち着くだろ?」

「あ、ありがと…」

 変に優しい龍二。いつもなら気持ち悪い行動なのだが、今はなぜか心地よかった。

(なんか…むず痒いな…)

 一口飲むと、その温かさにホッとし、笑みがこぼれた。

「おいしぃ…」

 じいさんと龍二は、見たことのない柔らかな笑顔を見て目を点にしていた。

(なんか、すげえかわいい女にしか見えない…)

 龍二は内心ドキドキしながらほんわか遥を見つめた。



 まだ体が本調子ではないので、今日は龍二が自転車を漕いだ。

 そしてやはり…。


 ピピピー!!


「待たんかそこのニケツ~ッ!!」

 交番のお回りに追いかけられていた。