龍二の顔がひきつっていくのがわかる。

「ま! 待て待て待て!」

「待てるかあっ!
雷帝貴人 招来っ!」


 雷がうねりをあげて龍二に襲い掛かる。


「しばびれびばばっ!!」


 そんな時に、不運なのかはたまたドMなのか、じいさんが間にやって来て貴人の雷に撃たれてぴくぴくしていた。

「き…貴人ちゃんの、かみなりは…いつ受けても…イイッ! …がくり」

 このままいっそのこと成仏させてもかまわないんじゃないかと思わせるほど、ドMなセリフにドン引きした二人だった。

「すごい音がして、何事かと勝手にお邪魔したんだが…」

 階段を上ってきたのは維鳴。

 三人の状況を見て一瞬戸惑ったが、眼鏡を直して遥を見やった。

「なかなか、魅力的な格好をしているね?」

 男物のロングパーカーを着ていて、ズボンは履いていないという、ある意味動きやすく無防備な格好をしていた。

 遥はそんなこと気にも止めず、仁王立ちで維鳴を睨みつけた。

「何勝手に上がって来てんだ。下で待って、うわっ」

「君に何かあっては困るからね。君と僕で、事を成し遂げなければならないんだから」

腰に手を回しながら優しく微笑むと、今度は龍二が慌てふためいた。