妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>



「喚びまして?」

 優しく声をかけると、小さな手で遥の頭を撫でてやる。

「私のご主人様、遥さんは、とてもいい子ですよ。大丈夫。貴女は貴女らしく、時間を過ごして」

「うん。ありがと」

 小さな手に頬を擦りながら礼を言うと、勾陳は優しく微笑み、光りを纏って消えた。

 パンパンッ!

 二度頬を叩いて気合いを入れ、ブレザーを脱いで制服を羽織った。

「俺は俺らしく!」

 手を前に出して小さく叫びながら頷くと、タイムカードをスキャンして表へと出ていく。

 出ていくと、とんでもない行列が出来ていて、サポーターに回るので精一杯の状況。
 陳列などは一切出させてはもらえないほどだ。

 ラッシュの時間をなんとか乗り越え、四人は最後の客を見送ったあと、力無くいろいろな場所にもたれた。

「こ…こんなにキツイんスね…」

 遥が言うと、香川のネームを付けた青年が汗を拭いながら返す。

「駅前だからねぇ。前いたとこよりも、かなり津波並のお客さんだったな」