ちょっかいなど出してくる友達や冷やかしなども、遥にとっては大事な一日だ。
だが、騰蛇が言っていた通り、星は確実に動き出している。
この大事な日々も、もしかしたらなくなるかもしれないと、そう思うだけで怖くなるときもある。
それを守るために、遥は妖達を将棋の駒に封印し、在るべき場所へと定めていっているのだ。
「お~い。席つけ~。一日遅れの転校生だぞ~」
担任の若柳が、肩に出席簿を乗せてやってきた。
またざわざわと席に着く生徒達。
どうやら遥や緋音と同じクラスになったようで、教卓には龍二が立っていた。
「桐祐 龍二君だ。本職は坊さんだそうだ。本堂とダチって聞いたから、世話頼むぞ」
不機嫌な顔になりながら頷くと、龍二は空いている窓際の席に着いた。
ホームルームが始まり、強風が木々を揺らしているさまをボーッと見ていると、誰かの声が聞こえてきた。
その声は小さな女の子の声。
教室にそんな声を出すような者はいない。
姿形は見えないが、声だけが遥の頭の中に入ってくる。

