妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>


 「あいつ、怪我してたのか」

 龍二の声が聞こえ、遥はギョッとした。

「お前何やってんだ!」

「怪我してるみたいだな。洗いにくいだろうから洗ってやるよ」

「なっ!? 来るな開けるなっ!!」

 さらに焦りを見せるように言うと、龍二は鼻で笑った。

「男同士で何恥ずかしがってんだよ」

 まさか風呂場でナニしているわけでなしと思いながら開けると、湯気の先にいたのは、あるはずのないナニかがついた遥。

 一瞬の沈黙が支配した。

 何度も瞬きをしたあと、龍二は顔を真っ赤にして指差した。

「は…はる…え??」

「うわ~ん! 朱雀ねーさーん!!」

 短縮型召喚術を使い、巨大な音と灼熱で龍二は吹き飛ばされた。

 音が聞こえ、じいさんは知らんぷり。
 また遥のニガテな虫でも出てきたのだろうと思っていたから。

 ドタバタと龍二が襖を開け放ち、怒涛の一言を叫んだ。

「翁~っ!! 遥に何性転換なんかさせたんだ~っ!!」


 ゴンッ!


 じいさんはちゃぶ台の角で思い切り額を打ち、涙目で反論。