妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>


 風呂に入っている間、じいさんと龍二は黙々と食べていた。

「マジうめっ! 翁はいつも遥に料理させてんの?」

「あやつの趣味じゃからの。緋祢ちゃんのパパさんが店しとっての、教えてもろとる」

 レタスを頬張りながら言うと、龍二の目玉がひんむかれた。

「あいつ彼女いるのかよっ?!」

「まあ彼女とは言わぬが、友達ぢゃのぅ。たまに家に来るぞ」

(がっつり彼女じゃねぇかよ! あいつ俺より進んでんのか?!)

 何気にショックを受けていると、じいさんは食器を龍二に横流し。

「片付けはきちんとの」

 指差しながら言うが、面倒臭いだけというのがひしひしと伝わってくる。
 これから厄介になるのだから仕方ないことだが、なぜか腑に落ちない。

 流しに置いたあと、龍二がポンと手をついた。

「いろいろ聞いといたほうがよさそうだな」

 何のいろいろかとおもうが、龍二は風呂場へと向かった。


 あいつまだ浴びてんのかと思わすシャワーの音が聞こえ、ふとカゴの中に目をやると、血の付いた服が目に入った。