妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>


 風呂場に案内したあと、遥は台所に戻って冷蔵庫をあさりだした。

「何か、入学早々変な来客だらけだったなぁ…」

 朱眼狼の復活と妖孤の長の出現。
 偶然にしてはあまりにも不自然だ。

 確かに妖狼一族と妖孤一族は昔から敵対関係にあって、長年争いを続けていたが、新しい世が出来るにつれて争わなくなったと聞く。

 この平和ともいえなくもない社会だが、まさか長年の怨みを晴らすべく、などといった行動をするほど愚かな種族ではないはずなのだが。

 そんなことを考えながら手を動かしていると、風呂から出た龍二がやってきた。

「うまそうな匂いだな。スープパスタか?」

「あぁ。西劉山じゃ食えないだろ? あ、つまみ食いすんなよ」

 プチトマトをひょいと口に入れながら頷く龍二に、遥は箸で指しながら言う。

 出来上がったパスタを皿に盛り付けて居間へと運ぶ。
 龍二も手伝い、食べようとすると、遥は食べずに立ち上がった。

「あれ? 食わねえの?」

「先に風呂だ」

 あぁ、だから自分のは置かなかったのかと思い、先に食べはじめた。