妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>



 ドアを開けると、そこには笠を被った一人の僧が立っていた。

「本堂 遥殿のお宅と思いお伺い致しますが、合っていますか?」

「そうですけど、あんた…うわっ!」

 急に抱き着かれて驚いていると、僧からは喜びの笑いが聞こえてくる。

「遥だろ! ひっさしぶりだな~!」

 腕から逃れるようにバタつくと、満面の笑みで僧は笠を取る。

「俺だよ俺。桐佑 龍二だよ。覚えてないか?」

 困惑げに顔を見て、子供の頃の記憶を辿っていく。
 目に面影が残っていて、指を指しながら言った。

「あぁ! あの法術最下位の龍二か!」

「余計なことまで思い出すな! これでも修業して今はトップなんだぞ!」

 激怒しながら胸倉を掴むと、遥は笑いながら宥めた。

「あははは。まぁまぁ、久々に会ったんだし、中入れよ」

 フンッ。っと、鼻息を荒くしてから家の中に入って行った。