一気に妖力が上がり、月に照らされた姿は、頭に銀の耳が生え尻尾が見える。
「くっ…妖孤かっ!」
紳士的に深々と頭を下げ、自己紹介をし始めた。
「今宵はお初にお目にかかる。僕は妖孤一族の長、刹那。一目麗しの当主殿を拝見致したく参上しました」
ヨロヨロと立ち上がりながら霊符を出し、呪文を唱えようとするが、吸い取られた力が多すぎてうまくいかない。
「大丈夫ですよ。今日はあなたを知りたくて来たのであって、戦いたくはないのです」
「力吸いとっときながら、ふざけたこと言いやがって…」
「申し訳ありません。まさかこんなに美味だとは思わなかったものですから、つい」
つい、などと言えるほど以上に吸い取られているため、遥は反論する気力もない。
神獣を喚びだしたくても喚べないのだから。
「本日はこれにて失礼いたします。また明日、学校にて会いましょう」

