ポテポテと他愛ない話をしながら河川敷を歩いている。
一人で帰るのは危ないと言われ、送ってもらっている遥。
「そういえば、君はどうしてバイトなんかを?」
「俺の家、じいさんだけしかいなくて、稼ぎもないから俺が生計たてるしかなくて」
苦笑しながら言うと、維鳴は心配そうに顔を歪めた。
「それは、大変だ。自分の体は、大切にしないといけないよ?」
「丈夫だけが取り柄なもんだから、大丈夫ですよ」
「丈夫…か…」
ポソリと呟くように言われ、遥は維鳴を見上げた。
「んむぅっ?!」
急に唇を覆われ、抱き寄せられた。
抵抗するが、なぜか力が出ない。
ゆっくりと瞳を開けば、銀色の目が光る。
(妖怪だと!?)
掌に力を込め、覇気と共に維鳴を突き飛ばした。
荒く息を吐きながらガクリと地に膝を付け、突き飛ばされた維鳴は宙を舞って浮かぶ。
小さな舌なめずりをしながら、恍惚な笑みをした。
「なんと美味で素晴らしい力。さすが最高の力を持つ陰陽師、本堂家の当主ですね?」
「てっ…てめぇ…力を吸いやがったな…」
不覚にも、膝が立てらせることを許さないほどに力を吸われ、荒い息をあげながら維鳴を見上げた。

