「よーし!!」
腕捲りをして気合い十分!!
私は綺麗に整えられたレンガの道に座って手を当てる。
レンガの道よ、アナタの記憶を少し見せて。
私の頭に流れるレンガの道が見てきた記憶。
10分前、女の子たちが楽しそうに話ている。
15分前、初等部の子たちが楽しそうに鬼ごっこをしている。
20分前.....
「いた。」
野良犬は楽しそうにレンガの道を走っている。
ここから五メートル先の曲がり角の花たちを風で吹き散らし中等部の校舎の方に走って行って....
「ありがとう。」
私はレンガの道にお礼を言って立ち上がる。
レンガの道の記憶によれば野良犬は20分前に中等部の校舎の方に向かってる。
「見れたの?」
私が見終わったのを察したのか凛妃が私に近づいてくる。
「うん。野良犬は中等部に向かってた。」
私は中等部の方を見つめる。
「そっか、じゃぁ行こっか。」
凛妃もまた私と同じように中等部の方を見つめてる。
「でも光が....」
「もー華恋は過保護すぎ!!大丈夫だよ。ね?光。」
心配する私にふわりと笑い光に声をかける凛妃。
「そーそー。少し休めば大丈夫だから。もー元気。」
いつの間にかこちらに来ていた光がヘラヘラ笑ってる。



