周りを見渡せば色とりどりの綺麗な花たち。
その綺麗に整えられた花たちの真ん中には生徒達の憩いの場となる大きな白いベンチがいくつか並べられている。
「見当たらないねぇ。」
周りをキョロキョロ見るが見えるのは色とりどりの綺麗な花たちのみ。
野良犬らしきものは全く見えない。
「やっぱもう移動したのかなぁ?」
可愛らしく首を傾げながら白いベンチに腰を下ろす凛妃。
「光も立っていないで座りなよ?本当は疲れているんでしょ?」
私はぼっーとしている光に座るように背中を押す。
「えー大丈夫だよぉ?野良犬まだ遠く行ってないと思うし見なきゃ....」
「さっきのだって心配かけさせない為にしたんでしょ?あとは私がここの記憶見るから休んで。」
座ろうとしない光を無理矢理座らせようとする私。
光はというと少し驚いたような顔つきになってすぐおどけたように笑う。
「はー、何でわかっちゃうかなぁ?華恋は。わかったよ。華恋に免じて休みます。」
そう言いながら白いベンチに腰かける光。
わかるに決まってんじゃん。
光は一番嘘をつく。
体が弱くてみんなの足を引っ張りたくないんだよね?
でも嘘はいけない。
無理しちゃいけない。



