「ちゃんと見てるのかなぁ?」


疑い深く千里眼で学園を見下ろす光を見て呟く凛妃。


ここは中等部屋上。

光いわくここならいろんな所がよく見えるらしい。


「確かにねぇ....。可愛い女の子とか見てそう。」


野良犬を探している途中に『あっ。あの子可愛いねぇ。』とか思ってその子ばっか見てそうだ。


「だよね。信用出来ないよね。」


にっこり笑って私に抱きつく凛妃。


この子抱きつき癖があるんだよね。

隙あればすぐ抱きつく。


「おーい、こらこら。俺が頑張って見てるのに何イチャついて俺の悪口言ってんの。意外と聞こえてるからね、お二人さん。」


見え終わったらしい光がやれやれといった感じでふらふらしながらこっちにやって来る。


「どこにいた?野良犬?」


私は私に抱きつく凛妃を離して光に近づこうと試みる。

が、凛妃はもちろん離してくれない。


「んー花がいっぱいあってベンチあったから多分庭園かな?てか、華恋嫌がってるでしょ?離しなさい凛妃。」


凛妃の肩を掴み私から離そうとする光。

でも....