「っ。」


昴先輩に触れる手を離す。


信じられない。


あの男性の言葉が信じられずにただ固まっているだけの私。


「華恋ちゃん?顔色悪くない?」


そんな私を心配そうに見つめる昴先輩。


「だっ大丈夫です。」


私は先輩から視線をそらす。


「そう....。」


私の言葉を聞いて昴先輩はすっと目を細める。

そして....


「火竜のお姫さま?近いうちにアナタを迎えに参ります。」


「っ。」


クスクスと楽しそうにそう言って私の側から離れる昴先輩。


バレてる。

昴先輩に私が能力を使ったことがバレてる。