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「ねえ、アユニ。本当にわたし、今日、ここにいて大丈夫かしら」


次の日の朝。
食時中に僕が尚子の事を話すと、コーヒーをカップに注ぎながら、野中七海はキッチンに立ったまま首を傾げて言った。


「大丈夫だよ」


僕は何の根拠もなく、最後のトーストの一片を口に入れながらそう言って笑った。
それから、熱々のコーヒーが注がれたカップを彼女から受け取る。


「尚子は、歩太とは仲が良かったし。何か、君の役に立つかもしれない」


そんな事を言いながら、本当は僕自身が彼女にここに居て欲しかった。
そんな本音を、僕はコーヒーと一緒に静かに流し込む。


「……アユニがそう言うなら、わたしは、いいけど」


そう言って小さく俯き、首を傾げる野中七海の白い肌には、昨日の疲れが残っている様に見える。
顔色が思わしくない。